Part3 アドリブに活かせるエリック・クラプトン奏法「クロスロード」コードとスケール
- 2014/1/3
- 05 ギター
- エリック・クラプトン
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寿です。
さてさて元旦からのパートもついにPart3
Part3 アドリブに活かせるエリック・クラプトン奏法「クロスロード」コードとスケールの使い方について。
特に使い方が難しいメジャーペンタトニックスケールの使い方について紹介します。
今回のテーマはコピーたフレーズをアドリブに活かす使い方です。
題材をエリック・クラプトンのクロスロードにして3回の連載でやってきました。
関連記事
Part1はクロスロードで使うコードとその構成音からなるリフ
Part1 アドリブに活かせるエリック・クラプトン奏法「クロスロード」コードとリフ
Part2はマイナー&メジャーペンタを使ったクロスロードのコピー
Part2 アドリブに活かせるエリック・クラプトン奏法「クロスロード」ギターソロ
そして今回はコピーしたフレーズの元であるマイナーペンタとメジャーペンタの曲中での使い方
つまり、クロスロードでこの2つのスケールを自在に使ってアドリブソロを弾くのがテーマになります。
マイーペンタトニックスケールとメジャーペンタトニックスケールの使い分け、結構困っている人が多いのでは?
と思っていますがどうでしょうか?
当の僕も最初は何がなんだか?
特にメジャーペンタトニックスケールは何となくしっくりこない、、、
使い方がわからない
結果的にはマイナーペンタ一辺倒になって。。。。。どうもワンパターン
そこを解消したのはコードによってメジャーペンタは少し変化させないといけいという使い方がわかったことです。
そのような悩みの解決法をクロスロードの曲を解説しながら書いてみました。
エリック・クラプトンのクロスロードは今までの事をまとめると
- AのキーでA7 D7 E7の3コードを使う12小節のブルース
- Aマイナーペンタトニックスケールで全部弾く事もできる(初心者)
- 実際はクロスロードAマイナーペンタトニックとAメジャーペンタトニックで弾かれている(今回のトライアル)
実際コピーしてみると8割近くはAマイナーペンタトニックスケールで弾かれています。
しかし、全編をAマイナーペンタだけで弾くとは物足りない感がありますね。
そうですね、いかにコードとあうと言ってもこれだけではアドリブにはなりません。
いかに、キャッチーにスパイスを効かせるかがポイントです。
クロスロードにおけるAマイナーペンタ以外の音の使い方
クラプトンはAメジャーペンタトニックスケールをアドリブの導入部分で取り込んだり
ここぞ、というところでAマイナーペンタトニックスケールの中にメジャー3度の音を使ってフレーズ表現にに幅を持たせています。
Aマイナーペンタ以外の音の使い方は2つです。
- ①Aマイナーペンタにメジャー3度を入れる使い方
- ②メジャーペンタトニックスケールをマイナーペンタと切り替えて使う
簡単なようですが、マイナーペンタトニックスケールと違って①も②もそのまま使える訳ではありません。
使い方の注意があります。
以下で詳しくクロスロードのキーAのメジャー3度の音の使い方、メジャーペンタトニックスケールの使い方を紹介します。
①Aマイナーペンタにメジャー3度を入れる使い方
まず、①のAマイナーペンタにメジャー3度を入れる使い方です。
イントロや曲の最後に出てくる(A7の時に出てくる)つなぎ的なターンアラウンドはAマイナーペンタトニックスケールを使って弾いていますが、部分的にA7のトライアドであるメジャー3度の音を入れているのがクラプトンの特長です。
(Aメジャーペンタトニックスケールの構成音ですがAマイナーペンタに1音だけ取り入れる場合はA7の構成音(トライアドの音)と解釈して使ったほうが良さそうです)
マイナーとメジャーコードの違い
トライアドとはPart1コード構成音で学んだコードの構成の主要な3つの音で
ルート 3度 5度の音をさします。これがコードの根幹の音となります。
ルート(「A」音)と5度(「E」音)はコードによっては変わらないのですが(特殊なオーギュメントコードを除く)
- Aメジャーキーでは 3度の音がメジャー3度なので 「C♯」音
- Aマイナーキーでは 3度の音を♭させたマイナー3度なのでC♯から半音下がった「C」音
整理すると構成音のマイナーとメジャーコードの違いは3度の音
この場合は違いは3度の♭3度「C」とメジャー3度「C♯」です。
そして、Aメジャー系のキーでマイナーペンタトニックの音に加えてこのメジャー3度であるC♯をCからハンマリングオンで使っているのがこのフレーズのキモとなっています。
ブルースはマイナー調の中に少し明るい音を持って来たり、その逆を使ったりして曲の表情を豊かにすることが出来ます。
ですからマイナーペンタのマイナー調一辺倒にメジャー3度の音を加える事により、よりフレーズに微妙な表現と味を出しています。
このマイナーペンタ+メジャー3度はBBキングなどもよく使うフレーズです。
マイナーペンタトニックにおけるメジャー3度の使い方の注意点
コードがA7の時にこのA7のトライアドであるメジャー3度の音C♯を入れるのが肝で
上記はターンアラウンドのでA7で弾いてインパクトを出していますが
このマイナーペンタトニックにおけるメジャー3度使い方には注意点があります。
どこでもここでもマイナーペンタトニックスケールにA7のトライアドであるメジャー3度の音C♯が使えるかというとそうではありません。ここでは使ってはいけないケースを書いておきます。
D7の時にはこのAのトライアドのメジャー3度:C♯は使えません。
D7の時にこのA7のトライアドであるメジャー3度:C♯を入れる事は御法度です。
よく、キーAの曲ではAマイナーペンタトニックとAメジャーペンタトニック(後で詳しく書きますが)が使えるので
メジャーペンタトニックスケールにあるメジャー3度:C♯が使えると勘違いしている方がいますが
実はAメジャーペンタトニックの使い方は非常に難しい点があって
以下をご覧下さい。
D7のコードが構成音は ルート「D」 3度「E 」 5度「F♯」 7度(♭7)「C」
D7はドミナント7thコードなので7番目の音が♭している音を構成音として持っています。
このD7におけるドミナント7th(♭7th)の音は「C」の音となります。
どうですか?
D7コード時に Aのトライアド音メジャー3度である「C♯」を入れてしまうとD7のドミナント7th(♭7th)の音「C」と半音違いでぶつかってしまい非常に不快な響きを出してしまいます。
Aマイナーペンタトニックの構成音「C」であればD7のドミナント7th(♭7th)の音「C」そのものなのでしっくり行きます。
※ここがアドリブの奥の深い所です。。。。
では、どのようにメジャー音を入れてゆけばいいか?
・トニックコード A7
・サブドミナントコード D7
というコードの時を考えると慣れないうちはトニックコード A7の時にA7のトライアドであるメジャー3度を使うのがいいでしょう。
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Part3 はメジャーペンタをアドリブに活かす
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②メジャーペンタトニックスケールの使い方
さて、そもそもメジャーペンタトニックスケールとは?
メジャーペンタトニックスケールの構成音は
- ルート
- 2度(別名9th)
- 3度(メジャー3度:長3度)
- 5度
- 6度(別名13th)
で構成されている5つの音
下の図のようにAメジャーペンタトニックスケールのポジションはAマイナーペンタトニックスケールのポジションを3フレット前に持ってきた形となります。
これは、6弦ルートポジションも5弦ルートポジションも同じです。
形が同じで3つずらすだけなので、視覚的に覚えるのは簡単ですね。
ただし以下の点に注目ください。
ルートの位置が違います。
マイナーペンタの6弦ルートは人差し指で押さえる形になりますが、メジャーペンタは薬指(小指)で押さえる形同様に5弦ルートもポジションにおけるルートの位置が変わっていることがわかると思います。
形だけみればAメジャーペンタトニックスケールの形はF♯マイナーペンタトニックと同じになります。
※この理由については後日また解説をします。
今日は、まずメジャーペンタの構成音と形を覚える事が狙いです。
Aメジャーペンタトニックスケール
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
(R=ルート音 各度数 2度 メジャー3度 5度 6度を数字で記入しています)
クロスロードでのAメジャーペンタトニックスケールの使い方
それでは曲中でのAメジャーペンタトニックスケールの使い方
A7はもちろんD7 E7の各コードにおいてAマイナーペンタトニックスケールは全部使えます。
ただし、以外と知られていないのですがAメジャーペンタトニックスケールにはコードによって使えない音が含まれています。
そこでその音を上手く避けて弾く事がメジャーペンタトニックスケールを使いこなす秘訣です。
クラプトンがAマイナーペンタトニックとメジャーペンタトニックスケールを巧みに組み合わせて弾いているのには一定の法則があります。
クラプトンはわりと簡単なコードの中で使い分けていますが
ロベン・フォードやラリー・カールトンはかなり複雑なコード進行のなかでメジャーペンタトニックスケールを非常に上手く使いこなしていますので今後の勉強に役立つかと思います。
各コードの構成音とAメジャーペンタトニックスケールとの関係を示したのが上の表です。
これをみると以下の様な事がわかりますね。
先ほど出て来たことと同じで
・コードD7の時は①のケースと同じくAメジャーペンタトニックスケールに含まれるC音はD7のドミナントセブンス(♭7)コードに対してメジャー7thにあたり、使う事が出来ない。
・D7とE7のコードに含まれるD音はAメジャーペンタトニックスケールに含まれないが、Aメジャーペンタトニックスケールにとっての元スケールであるAメジャースケールに含まれているので利用はできる。
ただし、メジャースケールにおける4度の音は伸ばすと違和感がある音なので通常ロングトーンや終止音
(そのコードの終わりの音)には持ってこない。
このような形になります。
あれこれ内容が難しいので本当にアドリブが弾けるのか?
と、お考えでしょうが
最後にシンプルにまとめます。
クラプトンはわりとシンプルなAマイナーとAメジャーペンタトニックスケールを切り分けて使っています。
AマイナーとAメジャーペンタトニックスケールを切り分使い方
クラプトンはクロスーロードの中でキーであるコードA7の時とサブドミナントとドミナントコードD7とE7とで音使いを変えています。
・A7コードの時は
- Aメジャーペンタトニックスケール
- Aマイナーペンタトニックスケール
- Aマイナーペンタトニックスケール+メジャー3度音「C♯」
- Aマイナーペンタトニックスケール+9th「B音」6度「F♯」
など割と自由に使っています。
・D7 E7コードの時は
- Aマイナーペンタトニックスケールのみ
※使えない音や長く伸ばせない音がAメジャーペンタトニックスケールに存在するためシンプルにここはAマイナーペンタトニックスケールのみで弾ききる
もちろんD7 E7コードの時に使えない音を避けてコード構成音に置き換えて弾くやり方もありますが、かなり高等です。
メジャーペンタ使い分けの最初は
A7=メジャーペンタもありです。(マイナーペンタはもちろん使えます)
D7・E7=マイナーペンタで弾く
と覚えておけば外さないと思います。
メジャーペンタの音で良く使うこの置き換え方法をひとつ
D7のサブドミナントコードの時はAメジャーペンタの3度「C♯」を半音下げて♭3度の「C」に置き換えて弾くとその音はD7のドミナント7th(♭7=C)となりはAメジャーペンタのフレーズがスムースに繋がります。
サブドミナントコードの時はメジャーペンタトニックスケールの3度を♭させると覚えておくと他のキーでも使えて良いかもしれません。
題材をエリック・クラプトンのクロスロードにして3回の連載でやってきました。
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Part3 はメジャーペンタをアドリブに活かす
Part3 アドリブに活かせるエリック・クラプトン奏法「クロスロード」コードとスケール
今回はお正月とあって休みもとれたので3部作の大作(??)を書いてみましたが、本来であれば本一册まで(??)は行かなくても、基礎から、かなりのページ数に分割して書く内容かもしれません。
初めての方(ギターを弾き始めて間もない方)には専門の用語、音楽理論(コードとスケールの基礎)など内容がちょっと難しい部分を含んでいますので、次回は基礎の基礎から連載で1つずつ書いてみようかと思います。
ご意見、感想を頂ければ嬉しく思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
コメント
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2014年 2月 11日
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2014年 8月 21日
初めてメールさせて頂きます。
長い間、疑問でした。メジャーペンタとマイナーペンタは実際にはミックスして使うなど
の話はかれこれ数十年前より聞いてはいたものの、実際に、アドリブの中でどのように使い分けるのかが仲々分からずにいました。
ただ、何となく3度の音が鍵になっているのかなと思っていました。
今回拝見させて頂き、メジャー、マイナーペンタスケールの使い分けについてしっかりとした理論の裏付けが説明されており長年の謎が解けて嬉しかったです。このテーマで説明されているサイトの中で一番でした。
肝はコードの機能別にコードトーンとメジャーペンタの構成音がどう自然な感じで響くか
使いづらい、使えない音をどのように回避するのかなど、大変興味深く為になりました。
ありがとうございます。
これを機会に自分でクロスロードや色々な曲を分析してみたいと思っています。
又、今後のリクエストという事で言わせて頂きますと、これも、クリームの曲で長年自分の中で疑問でした、サンシャイン オブ ユア ラブの解説を頂けると嬉しいです。
そもそもこの曲はメジャーなのかマイナーなのかドミナントモーションの動きも聞けない
モード的な考えで構成されているのか?等。
どちらかというともの悲しい感じな曲が多いのでマイナー系の曲なのかなと感じています
又、この曲ではテーマリフの中でバレーコードを平行移動させるなど、アドリブは何を根拠に弾かれているかなど、疑問いっぱいです。
又ひとつ謎が解ければと願っているんですが
リフ系の曲はそのような曲が多いです。
よろしくお願い致します。
失礼しました。