- Home
- 03 TOKYO音楽日記
- ミュージシャンとITのリテラシー|これからの音楽業界について②
ミュージシャンとITのリテラシー|これからの音楽業界について②
- 2014/8/6
- 03 TOKYO音楽日記
- スティーヴ小山, 工藤江里菜
- コメントを書く
前回の続きです。
音楽の録音物を売る時代はとっくに終わった~元レコード会社社員が語る、ミュージシャンは個人事業主たれ
スティーヴ小山さん(本名:小山隆信さん・55歳)
これからの音楽業界について① | ギターとDTM Toy-Music-Blog
スティーヴ小山さんが支援している
アーティスト工藤江里菜さんは、神奈川県の藤沢のさいか屋前で、毎週日曜日に14時からと17時からの2回、キーボード弾き語りライブを行っているらしい。
路上ライブが音楽の原点
まさにCDやレコードのなかった時代は生で演奏するしかなくその生演奏のパフォーマンスで支持者を獲得していたのが音楽の原点であり、テクノロジーが発達しすぎた今、皮肉な事に
テクノロジーに頼らない生演奏こそが音楽家のアイデンティティになりつつあるのも興味深い事です。
「路上で無料ライブをすることで、多くの人に知ってもらうことが、ファンを増やす第一歩です。
そこで音楽を気に入ってくれた方が、グッズを購入してくれて、そこそこの収入になります。
そのグッズの一つがCDということなんですね。
「レコード会社にいた時に不思議に思ったんです。ミュージシャンはお金のことは知らなくていい。おまえらはただ音楽を作っていればいい。そういう風潮がありました。でも今の時代、それではミュージシャンは生き残っていけないと思うのです。
セルフマネジメントからお金のことまで、携わるのが今の時代の
ミュージシャンとしてやってゆくために必要なことのようですね。
音楽は何か特別なビジネスではない。飲食店の店主と同じように、個人事業主であり経営者。だから経理的なことやお金のことは、全部工藤本人にやってもらうようにしています。
飲食店の店主と同じようにというあたりにリアリティを感じますし本当に音楽が好きでないとやってゆけない時代になってきたのかもしれません。
ミュージシャンはITのリテラシーが不可欠の時代
CDが売れなくなり、レコード会社や所属事務所に力がなくなり、ミュージシャン自身が何でもやらなければならない状況を、「大変だ」「厳しい」と嘆く時代錯誤な声も多いが、小山さんはむしろ「素晴らしい時代がきた」と語る。
現在はその過渡期なのかもしれませんね。
「確かにこれまでの古い業界常識やシステムから抜け出せない人にとっては、厳しいでしょうし、いずれ淘汰されていくでしょう。
自宅にいながら素晴らしいレコーディングができるようになってきたし、音楽を配信発表することにかかるコストは
劇的に低下(ほぼ無料になりつつありますね)
でも今はレコーディングにしても何にしても飛躍的にコストが安くなった。大資本がないと音楽が作れない時代ではなくなり、個人でも十分クオリティの高い音楽が作れるようになった。こんな可能性のある素晴らしい時代はない」
もう一つ重要な事は
現代のミュージシャンに必要な要件としてはITのリテラシーが不可欠ということですね。
・DTMのためのPCやDAW等を扱うリテラシー
・配信のための動画やその編集
・ブログやHPなどCMSを通じた情報発信の場の構築
などが今後より重要になってきそうです。
特にHPやブログなどのCMSを通じたプロモーションの場の構築はyoutubeやSNSとの連携も含めて非常に大きな要素となってくると思われます。
特に注目しているのはCMSとしてのWordpressです。
ToymusicもCMSとしてWordpressの構築を通じてプロギタリストの是方博邦さんの情報発信を支援しています。
「レコーディングのためにスタジオ代がかかるとか、そんなこと言っているのがもう時代遅れなのではないでしょうか。バンドのメンバーがそれぞれ自宅で録音し、メールで音源を送り、それを合わせて自宅で曲を作るのはもう当たり前の時代。だから必ずしも東京にいなくてもよくなった」
この、特定の場所にいなくてという部分はまだ飛躍しすぎているかもしれませんね。
ひとりで全部の楽器やアレンジなどもできればいいのですが
ネット上でコラボレーションを実施する上では
まだ、PCやDAWの機能的な部分は未熟のようです。
ネットのプロモーションの主軸は、今はブログとYoutubeですが、時代の変化に合わせてプロモーションツールを変えていくことも大事。音楽業界に限らず、時代の変化に合わせて対応していくことが重要ではないでしょうか。セルフプロデュース、セルフプロモーションができるミュージシャンが、録音物だけの収入を依存しなくても、音楽で食べていける時代がやってくると思う」
小山さんは
今後はミュージシャンがセルフプロデュースできるようなセミナーを、Youtubeなどで配信予定らしいです。
もう多くの業界関係者やミュージシャンは、過去のビジネスモデルが通用しないことをとっくに気づいており、新しい音楽ビジネスモデルを模索し、活動を始めている。(取材日:2014年6月18日)
・小山さんが関わっているシンガーソングライター工藤江里菜さんホームページhttp://erinakudo.jp/
独自のドメインで作成されているHPです。
情報発信の場としてのHPの作成や構成の能力の優劣がセルフプロモーションに大きく関わってくるでしょうね。
工藤江里菜 Offisial Website 湘南発!ピアノ・シンガーソングライター
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。