すごいタイトルではじまってしまいました。笑
筆者のYouTubeチャンネルでも聴くことが出来るのですが、「パチンコ界の激カワ!激アツアイドル!の曲」を作った時の体験談をご紹介してみます。
パチンコイベントと深夜のパチンコ番組のタイアップ
この曲、タイトルが「恋のリフレイン」と申しまして、表向きは作詞・作曲は別の方です。まあ、いろいろあるのがこの業界でしてね。^^
それはさておき、この曲をレコーディングしたのが今から3年前。AKB48の人気が全国レベルになる頃で、ちょうど地元アイドルユニットが雨後の竹の子のように出てきた頃で、この曲もそういうことを意識して企画されたようです。
パチンコホールでガンガン流し、TVの深夜番組をスポンサーが持ってましたので、そこでガンガン放送します!みたいな業界の軽いノリに乗せられました。笑
曲のモチーフが伝えられる。
サンプル曲のデータとともに曲のモチーフが筆者に伝えられました。歌詞先でした。つまり歌詞がクライアントから指定されていたワケですね。
そのサンプル曲が、80年代ごろのアイドルで、少女隊の「渚のダンスパーティ」という曲で、イメージはこんな感じということが伝えられました。。。
取りあえず、このサンプル曲を三日三晩聴き続けました。笑
完璧に憶えたところで、制作開始です・・・
↓↓イメージとして言い渡された曲↓↓
まずはベーシックな曲の構成から
リズムを決めるところから始めます。
ドラム&ベース。曲の骨格にしてこのパートでほぼ曲の形ができあがります。歌を歌う人たちのキーがまだ分からない段階ではKEY=Cで取りあえず作ります。実際の歌入れの時までにトランスポーズで移調すれば良いですからね。
今回はベーシックなドラムパターンでいくことにしました。リズムがベーシックな分、ノリで躍動感を・・・と思いまして、Aメロを裏ノリを意識して2泊4泊を強調した感じにすることにしました。
以下、筆者流のやり方です。参考になるかどうかは解りません。笑
1.ドラムパートを打ち込みます。基本パターンを1小節。それをループさせ取りあえず200小節分コピーペースト!!
2.ドラムパートをループで廻しながら、AメロのメロディをMIDIキーボードでレコーディングしていきます。KEY=Cなのでド・ミ・ソからの音階でメロディスタートです。
3.同じようにBメロ、サビのメロディをレコーディング。
4.メロディが出来たら、コードを決めていきます。メロディからコード進行を決めていく場合は、メロディの音階を多く含むコードを割り当てていけば、大体シックリ決まります。
5.白玉系のパッドの音色でメロディにコードを乗せて行きます。ここで、メロディの直もやったりしながら。。。タイムラインにコードネームも書きこんいきます。
6.完成したら一旦、白玉系のパッドをミュートして、ベースを入力。
7.ドラム・ベース・メロディが決まったところで、各パーツ(Aメロ、Bメロ、サビ)のつなぎのフィルの打ち込みをドラム、ベースの修正を行います。
8.イントロ、エンディング、間奏を作っていきます。間奏は大体においてAメロ、Bメロ、サビのコード進行のいずれかをそのまま使えば良いです。リズムの打ち込みを変えるなどすれば、メリハリが効いて良いと思います。
9.さあ、すべてのパーツが出来上がったところで、あとは曲の構成でパズルのように組み合わせを変えていけばイイワケです。
10.今回エンディングはサビの最後の歌詞を連呼しながら終わる形にすることにしました。それに合わせて各トラックを修正。
あくまで自分の場合ですが、ここまでの作業は一気にやった方が良いです。後が効率的です。ここまで丸一日あれば完成できます。
各パーツのフラッシュアップ
曲の構成まで完了したら、各パーツ毎(イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、間奏、エンディング)のフラッシュアップを行っていきます。
すなわち、リズム隊(ベース、ドラム)とメロディのなおし。数日に分けて耳を休ませて新鮮な状態で取り組んだ方が良いです。というのも何時間も同じメロディやパートを聴いていると、それに慣れてしまいますので、アイディアも浮かばないのですね。ですから、あえて翌日に持ち越すとか、数時間気分転換してから再開するとかが良いですね。うわもののリード楽器の構成やアイディアが浮かんだら、メモしとけば、後で効率的に打ち込みができます。
ベーシックなパターンが出来たところで、仮歌入れ
筆者はこの段階で自分で仮歌を歌い入れていきます。その後、プレイバックしながら、しっくりこない部分の伴奏トラックも含めて修正を行います。
リード楽器入れ
次にリード楽器などを入れていきます。歌の合間と間奏にサックス。全体にハンドクラップを入れてみました。今回、サックスは早いパッセージのサックスが欲しかったので、ループ素材を使いました。
演奏の要。ギター録音・ベース録音
ギターはMIDIでは再現が困難な楽器です。やはり人間系のプレイがエモーショナルですしイイですね。今回は自分で弾きました。笑 バッキングでギターのカッティングがかすかに聴こえると思います。これは筆者が演奏したギターパートです。笑
ベースも人間系でMIDIトラックのベースと差し替えます。これも自分で弾きました。笑
さて、これで見違えるくらいに伴奏トラックが生き生きしてきました。
更にフラッシュアップ
最後に完成したトラックをフィードバックしながら、直しをいれていき完成です!
ここまで土・日をはさみ1週間。
担当社に視聴してもらう。
担当社に昭和スタジオ(筆者の作業部屋ですね。)に来てもらい、視聴開始!緊張の一瞬! 今回、こまかい要望はあったもののほぼ一発でOKをもらいました。その後、修正オーダーがあった部分の直をおこないます。完了したらデータで送り、担当社に確認。最終OKまでそれを何度か繰り返します。
デモが完成した時点でボーカルさん達へ音源をおくり、KEYを決めてもらいます。
要望に応じてトランスポーズしてKEYを決定。トランスポーズしたデモを送り、歌の練習をしてもらいます。担当社より、レコーディングスタジオでの歌入れのスケジュールが知らされました。今回は、伴奏を完パケでレコーディングスタジオへ持ち込み、歌入れを行います。44.1Khz,16ビットのCDクオリティでWAVデータでスタジオへ持ち込みます。
再度、ギターとベースパートを撮り直し&ミックスダウン
トランスポーズ後のKEYで再度、ギターとベースパートを録音しなおし。(ここは筆者のこだわりです。笑)そしてミックスダウン。タイムラインのKEYを書き直して、最後にWAVにまとめデータでレコーディングスタジオに持ち込みます。
レコーディングスタジオでボーカル録音
ボーカル録音の日。予定より1時間前にスタジオ入り。福岡の某スタジオです。ここは、B’Zや小室哲也なども使用したことがある本格的なスタジオ。DAWはもちろんプロツール!!
プロツールへ完パケを流し込みます。最終的にプロツール側で調整をやり直してもらいます。なんでも使ってるDAW側でほんの少しテンポのズレがあるらしく、それをタイムストレッチしてプロツールのクリックに合せる作業をやって頂くのでした。人間の耳ではまず解らない微妙な作業ですが、そこがプロの仕事なんでしょうね!
そして、希望して全体のトラックのイコライジングなどをお願いします。何も希望をいわなければそのまんまですからね。ここは要望を出した方が良いですね。
ボーカル録音
準備が整った頃、ボーカルを担当するメンバー、総勢8名が到着。筆者は初対面!さすがに(かわい子ちゃん)ばかり!ウシシ・・・^^
まずはボーカルのガイドにも使うためメンバーの中で一番安定して歌える人を選び、さっそくレコーディング開始。歌入れブースとレコーディングブースは隔離されており、専用のマイクで録音ブースとコミュニケーションを取りながら歌入れが進みます。約1時間で終了。さあ、ガイドボーカルの録音が完成です。
次々にボーカルメンバーが録音ブースに入り歌入れ。ここで、重要なのが音をのばすところの長さ。ここがまちまちだといけません。というか修正が出来ないのですね。出来ても不自然になるので、ガイドボーカルを聴いて、人によっては何度もその部分を録音しなおし。。。。
全てのボーカルの録音が終了したのが5時間後。おつかれさまです!
最終調整はレコーディングスタジオで。。
ボーカルのピッチ修正はレコーディングスタジオのエンジニアさんがやってくれました。数日後、再びスタジオに集合し、最終ミックスに立ち会います。もうこの段階ではおまかせ状態ですので、立ち会うだけでした。しかしプロのエンジニアさんのボーカルのピッチ補正技術は大したものです。すごい! あのオンチ集団がちゃんと歌えてる!
完成!そのギャラは!?
曲は買い取りの契約で曲製作費10万円(旅費交通費別)なり! 実労働、2週間。これが本業だとキツイですね。笑
まあ、自分たちのように有名でもないクリエイターの作る曲は大体買取のケースが多いのではないでしょうか、、、よくわかりませんが、、、
ということで、レコーディングまでの工程を紹介してみました。
で最後に完成曲をお聴きください!!
ではまた。
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