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酷評の嵐の中、苦戦を強いられたクィーン
- 2014/1/9
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長崎管理人のシュンです。
クィーンがロック史に名を残す名盤、「ボヘミアン・ラプソディ」をリリースするまでのバックグラウンドを僕流に書いてみました。
70年代に登場したロック・バンドの中でひときわ華やかさと妖艶な個性とサウンドを誇ったバンド、それがクィーンだ。
デビュー作が「戦慄の女王」!しかし、音楽メディアには冷ややかな酷評の洗礼を浴びるのである。なにゆえか・・・
これはもう憶測の世界でしかないのだが、クィーンがデビューしたイギリスではレッド・ツェッペリンの全盛期でもあり、「戦慄の女王」で聴かれるブリティシュ・サウンドは、ツェッペリンばりの重厚なサウンドが展開されており、ブライアンメイのプレイするギターやサウンドメイキングも変幻自在な表情のあるものであったし、フレディ・マーキュリーのボーカルもドラマティックであった。それは評価に値するものであったと僕は思う・・・
ツェッペリンという絶対的バンドの存在がロックファン達には「二番煎じ」と思われたのか・・・
それはもう想像の域でしかないが、クィーンはこうして、逆風の中でのデビューをむかえたのだった。
2作目の「クィーンⅡ」では前作ほどではないにしろ、プログレバンドのもう一つのビッグネーム、イエスとも比較され、逆風の中にも好評な論調も得たが直後の全米ツアーでクィーンは悲劇に見舞われる。
ギターのブライアン・メイが伝染性肝炎に倒れ、ツアーキャンセルという最悪の事態をむかえたのだった。この全米ツアーの中止はクィーンにとって大きな転機をむかえることとなった。
歴史に「たら」「れば」はないが、もし全米ツアーが成功していたら・・・
あの「ボヘミアン・パプソティ」は生まれていたのだろうか・・・
これはもう神のみぞ知ることであるが、結果的にこのツアーキャンセルの悲劇は、結果的にクィーンを成功へと導くのだから運命というものはなんとも皮肉なものである。
全米ツアーのキャンセルの後、クィーンはすぐさま新作のレコーディングを開始し、3作目「ツアー・ハート・アタック」を発表する。
そしてシングルカットされた「キラー・クィーン」は全英チャートを駆け上がり、最高第2位のヒットを記録した。
クィーンの重厚なサウンドの中にあるクィーン独自のポップな要素がまさに開花した瞬間でもあった。
この3作目は個人的にはクィーンの傑作中の傑作である「ボヘミアン・ラプソティ」の次に僕のお気に入りのアルバムである。
クィーンのベーシストのジョン・ディーコンがこのアルバムから曲作りの方で参加。
ジョン・デーコン、なかなかのメロディメーカーである。
僕の中では、クィーンのサウンドやメロディの部分を支える影の立役者がジョン・ディーコンであるのではないか!?と思う次第なのである。
そして・・・
75年ロック界における歴史的傑作「ボヘミアン・ラブソディ」の登場となるのである。
「ボヘミアン・ラプソディ」の登場の伏線はこの3作目「ツアー・ハート・アタック」の収録曲に見て取れる。どこか日本的な旋律のギターソロ、ドラマティックなピアノ曲、シャンソン風の曲。などなどクィーンの音宇宙は、さまざまなジャンルの音楽をそしゃくし、クィーン独自の音楽性へと昇華させている過程にあるアルバムとなった。
ロックの枠に留まらないツェッペリンでもないイエスでもないクィーン独自の音宇宙は静かに醸造されていたのだろう。
さて、時系列を74年に戻そう。本国イギリスで逆風を浴びていたクィーンを好意的に暖かく、そして熱狂で迎えた国があった。そう!私たちの国、ジャパンである。
「戦慄の女王」のアルバムが発表されて間もなく、(新世代のロックアイドル)というプロモーションで日本の土をふむことになったクィーン。75年の初来日。武道館での2回のライブを含む8公演が敢行された。
クィーンは日本の特に女性ファンに熱狂的な歓迎を受ける。クィーン自身も大いに自分たちの音楽性に自信を持ったに違いない。
その感謝の想いは、77年にリリースされた「華麗なるレース」の収録曲、「手をとりあって」にこめられている。
日本語で書かれたこの曲は、日本のファンへ向けての感謝を込めたクィーンの日本語によるアンセムなのである。
さて時は1975年に再びもどして・・・
クィーンにとってもロック界にとっても歴史的な年となった。
70年代のロック史上に異彩な輝きを放つ名盤「オペラ座の夜」がリリースされたのである。
その「オペラ座の夜」のライナーノーツで大貫憲章氏はこんな言葉を綴り、このアルバムを絶賛した。
「燃え尽きたプリティシュ・ロックの灰の中から、現れた不死鳥こそクィーンである。」と・・・
「オペラ座の夜」のサウンド解説はまた別の機会に僕の独自目線で書いてみようと思います。ご期待ください。
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