Richard Marx – Now & Forever サブドミナントマイナーを使った演出!!
- 2014/2/22
- 06 DTM
- 2 comments
寿です。DTMというか作曲コード進行について
先日、シュンさんと曲を作りながら打ち合わせた内容で使えるものがありましたので(笑)
サブドミナントマイナーを使ったコード進行
サブドミナントマイナーを使ったコード進行は
わりと平坦なコード進行の曲に斬新さを持たせる方法です。
部分転調を使ってメジャーキーを一瞬にマイナーキーに変えて、
メロディはメジャーのメロディのまま使うテクニックで
作成中の曲がのキーがGですのでキーGで通常使うコードはGのダイアトニックコードを考えます。
まずGのダイアトニックコードからサブドミナントコードにあたるのは?
ダイアトニックコードは1つおきに音を積み上げたコードの事です。
以下の公式?を覚えておくと便利です。
Ⅰ△7 Ⅱm7 Ⅲm7 Ⅳ△7 Ⅴ7 Ⅵm7 Ⅶm7♭5
上記に当てはめればGキーの場合だとダイアトニックコードは
4和音の場合 G△7 Am7 Bm7 C△7 D7 Em7 F♯m7♭5
3和音の場合(一番上の音を省略)G Am Bm C D7 Em F♯m7♭5
※ここで重要なのは5番目と7番目のコードドミナントというコードで
不安定さを演出する役目のコードなので7を省略しない事です。
さて本題に入ります
4和音の場合で考えてみましょう。
サブドミナントというコードは2番目と4番目のコード
サブドミナントというコードは2番目のⅡm7と4番目の Ⅳ△7にあたります。
Ⅱm7はもうマイナーなので、サブドミナントマイナーとは4番目のコード Ⅳ△7をマイナーコード化(Ⅳm)する事です。
ここで1つ決まり
この、サブドミナントマイナーを使う時は4和音であっても3和音にする事
ですので4和音 C△7でも→3和音Cmして使います。
Richard Marx – Now & Forever のサブドミナントマイナー
実際の所、どのように使われているか
ちょうどキーもGで同じ、
こちらの有名な曲のRichard Marx – Now & Foreverに上手く使われていますの。
ギターソロに入る前の1小節にサブドミナントマイナーが使われています。
キーはGですのでサブドミナントであるCコードをCmに変えているのがサビから
こちらの動画のギターソロにはいる前のタイムにして2:12からの1小節のみです。
Richard Marx – Now & Forever
映画「ゲッタ・ウェイ
ちょっと話が変わりますが
※このNow & Foreverは映画「ゲッタ・ウェイ」の主題歌となりました。
「ゲッタ・ウェイ」昔、1973年。スティーブ・マックイーンの主演のアクションで上演されました。息をのむ銃撃戦と最後にメキシコへ2人で脱出するシーンが印象的でした。
こちらはリメイク版
Now & Foreverはそのリメイク版、1994年、アレック・ボールドウィンとキム・ベイシンガーが演じた「ゲッタ・ウェイ」の主題歌でやはり最後のメキシコへ2人で脱出するシーンにこの曲がかかります。
なぜ、サブドミナントマイナーはカッコいい?
あっ音楽に戻しましょう
タイム2:12ボーカルも高音で盛り上げていて、バックも不思議な感じのハーモにを奏でますね
そして、ここから繋がるギターソロがゾクッとするほどかっこ良く始まりますね。
ただ、この1小節だけなんです。
ポイントはマイナーコードなのにボーカルはメジャーキーのまま歌っています。
バックコーラスはマイナーのハーモニーです。
サブドミナントマイナーを使うとはなぜ、このように盛る上げられるのか?
この曲を聴いていて、流れから、もともとCメジャーの音が入るはずとの認識は人間の脳にすりこまれます。
つまり、キーがGでコードを展開するとサブドミナントであるCはGと相性がよくつながりがいいので常に安定した関係でG→C C→Gへ行き来します。
しかし、不思議なものですね、この期待を裏切るCのマイナーコード登場ですよ。
でも人間の脳はマイナーコードなのにメジャーコードを予測していたわけで、メロディのみメジャーを受け入れるんです。
面白いですね!!!
サブドミナントマイナーは実は部分転調を使っています。
詳しく突き詰めると、GメジャーキーがCではなくCmを演出いたため
B♭メジャーキーに転調しています。
その転調によって起きた現象ですが、人間の脳はこのような理屈は考えず、この予測もしない変化に感動を覚えるのです。
もう1度聴いてみて下さい2:12通常だとここの流れは今までメジャーコードはCのはずです。
そのような流れを今まで何度か曲中で作っているのです。
しかしここではサブドミナントであるCコードをCmに変えてあっと驚かせてGで始まるギターソロを演出しているのです。
どうですか?
素晴らしい展開になってギターソロを導く演出をしていますよね。
通常の進行Am7→C→GをAm7→Cm→Gに変えています。
これはキーGがキーB♭に変わっていること(転調)によってこのような印象を与えています。
(この解釈は同主張や平行調等の理論をもちいて説明しないと難しいので別途紹介します)
鳴らしてみましょう
※申し訳ありませんがスマホやiPhone、iPadでは以下のコードダイアグラムが表示されません。
こちらが通常の進行サブドミナントコードはC
♪をクリックすると音が出ます
サブドミナントCをCmに変えたサブドミナントマイナーを使った進行
♪をクリックすると音が出ます
このCをCmに変えた部分転調は全体を通してはもう一回エンディングで出て来ます。
効果的なサブドミナントマイナーですが、あまり頻繁に使うと「またか〜」になってしまうので
曲中に1カ所か2カ所
さりげなく入れるのがポイントです。
このアコースティックギターのソロも素晴らしいメロディですね。
完コピしましたよ〜(笑)
コメント
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2014年 3月 07日
シュンでございます。
おぉー!記事になってますね。
これは多くのDTM愛好者の方には有益な情報です。
僕もお話をしつつ、教授を受けて楽しかったですねぇ!
寿です
サブドミナントマイナー流れを予測する人間の脳の性格を利用して裏をつく常套句にになってますが、その理由がわかってないと応用が難しいのも音楽のある意味の追う深さかもです。。。。